そんなに大事な物なら私も
探しますよ
そんな言葉かふと漏れた。
男性は、
「いや、ありがとう、大丈夫、、ですか？
あの、、」
と私が持っているビニール袋を指先した。
そうだった。
ご飯を買いに出かけたのだっけ
私も「あ、あぁー」と何とも
会話にならないような返事をして
苦笑いのような様相になっていた。
それから事情を聞くと
家族の形見のブレスレットが弾けてしまい
そのビーズをずっと拾っているとの事だった。
私も一緒に、探し始め
そうっとしゃがんで見てみる。
表面を動かしてはならない。
ビーズが埋まってしまうから。
携帯電話の灯りの機能を使って
照らしてみた。
確かにチラチラ光るものがある気がするけれど
ビーズだろうか？
光るものを手にしてみた。
もしかしてこれ？
見つけた時は喜んでしまった！
そんな様子を見てその人も静かに微笑んでいた。
まさか、中庭でビーズを探すとは
思わなかったけれど
そんな非日常体験を私は満喫していた。
10に続く
